概要
習近平総書記は、北京の人口密集問題を解消し、ハイテク都市としての役割を担う「雄安新区」の建設を推進している。このプロジェクトは、「人類発展の歴史におけるモデル都市」と位置づけられており、約12兆3000億円が投じられた。しかし、雄安新区は期待されていた住民の流入が進まず、多くの施設が空っぽの状態が続いている。
雄安新区の開発と現状
- 開発の経緯: 中国共産党は、鄧小平氏が深圳で開始した改革・開放政策の精神を受け継ぎ、北京に近い雄安新区の開発を推進。この地区は、北京からの人口と機能の移転を目的として計画された。
- 投資とインフラ: 三峡ダムの倍以上となる約6100億元が投資され、鉄道駅、オフィスビル、住宅、学校、病院などが建設された。
- 人口の問題: 住民が足りず、通りや施設が空っぽの状態が続いている。北京からの移転を促されたものの、住民や研究所の職員は教育の質などを懸念している。
習氏の権力と限界
- 権力の行使: 習近平総書記は、雄安新区のプロジェクトを通じて、中国の未来都市のビジョンを推進しようとしている。しかし、住民の抵抗と参加の欠如が、習氏の権力にも限界があることを示している。
- 市場原理との葛藤: 住民を強制的に移動させる政策は市場原理に反し、雄安新区への人口流入を促進することに成功していない。
今後の展望
- 産業の選別: 雄安新区は情報技術(IT)、生物医学、新エネルギー分野の企業を中心に進出を促している。住宅価格の厳格な管理により、投機を防ぐ方針を取っている。
- 中長期目標: 今世紀半ばの完成を目指し、35年後には北京の非首都機能の一部を担うハイレベルの現代的社会主義都市になることが期待されている。
評価と課題
雄安新区の開発は、習近平総書記の野心的なプロジェクトとしてスタートしたが、人口の定着に課題を抱えている。市場原理に反する政策や住民の実情を無視した計画の強行は、中国においても習氏の権力に限界があることを示している。今後、雄安新区が目標を達成し、習氏が描く理想都市へと変貌を遂げるかは、政府の政策調整と住民の受け入れ次第である。