エンコミエンダ制は、スペインが新大陸とフィリピンで採用した植民地住民支配制度です[1]。
## 制度の起源と成立
エンコミエンダは元々中世スペインで始まり、1502年にイスパニョーラ総督ニコラス・デ・オバンドによって新大陸での制度として確立されました[1]。
## 制度の仕組み
**基本的な構造**
- スペイン王室が入植者(エンコメンデーロ)に先住民を「委託」
- エンコメンデーロには先住民の保護とキリスト教化が義務付けられる
- その見返りとして先住民からの貢納や労働力の使用が認められた[1][2]
**特徴**
- 土地所有権は含まれず、労働力の管理権のみが与えられた
- 先住民はスペイン国王の臣民として扱われ、奴隷制とは異なる制度だった[1]
## 制度の衰退
以下の要因により16世紀半ばから衰退が始まりました:
- 先住民人口の激減
- 疫病の蔓延
- ドミニコ会などによる制度批判
- 1542年のインディアス新法による公式撤廃[1]
## 後継制度
エンコミエンダ制は徐々に以下の制度に移行しました:
- レパルティミエント制度:王室による直接的な労働力管理
- アシエンダ制:大規模な私有地による農場経営[1]
この制度は形式的には18世紀後半まで存続し、特にユカタン半島では18世紀末まで残りました[1]。
情報源
[1] エンコミエンダ制 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%80%E5%88%B6
[2] LatinAmerica.jp:ラテンアメリカ関連情報:民族学ストーリー https://latinamerica.jp/latin/story2.html
[3] エンコミエンダ制(エンコミエンダセイ)とは? 意味や使い方 https://kotobank.jp/word/%E3%81%88%E3%82%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%81%88%E3%82%93%E3%81%A0%E5%88%B6-38121
[4] エンコミエンダ制 - 世界史の窓 https://www.y-history.net/appendix/wh0901-070.html