up: [[§デザイン原則]] ### 概要 [[ドナルド・ノーマン]]のデザイン原則は、ユーザー中心設計(User-Centered Design)の考え方を具現化するための指針である。これらの原則は、製品やサービスが直感的で、理解しやすく、ユーザーフレンドリーであることを保証することを目的としている。以下に、それぞれの原則を簡潔に説明する。 ### 1. 可視性 (Visibility) - 製品やサービスが提供する機能や操作可能な要素が、ユーザーに対して明確に可視化されていること。ユーザーが利用可能な選択肢を容易に認識できるようにする。 ### 2. フィードバック (Feedback) - ユーザーの行動に対して、システムから適切な時期に、理解しやすい形で反応が返されること。フィードバックは、行動の結果をユーザーに伝え、次の行動を導く。 ### 3. 制約 (Constraints) - デザインを通じて、誤った操作を防ぎ、ユーザーが適切な選択を行うことを促すための制約を設けること。物理的、論理的、文化的な制約を用いて、使用可能な行動を限定する。 ### 4. コンシステンシー (Consistency) - 類似した操作や要素が、システム全体で一貫した振る舞いを示すこと。ユーザーが一度学習した知識を、異なる部分にも適用できるようにする。 ### 5. アフォーダンス (Affordance) - 物や界面のデザインが、それがどのように使用されるべきかを直感的に示す特性。例えば、ボタンのデザインが押すべきものとして認識されるようにする。 ### 6. マッピング (Mapping) - コントロール(操作部)とその結果との間に、直感的な関係があること。ユーザーが操作と結果を容易に関連付けられるようにする。 これらの原則は、ユーザー体験を向上させるための設計過程において、不可欠な考慮事項となる。デザインの初期段階からこれらの原則を適用することで、より使いやすく、効果的な製品やサービスを開発することが可能になる。