ホモサピエンスの特性は、狩猟採集時代の生存戦略として進化してきたものであり、現代社会でもその根本は変わっていない。思考は複雑なものを逃避し、フィジカルはカロリーを溜め込む特性が、今日の生活様式や環境といかに合致するか、または衝突するかが、現代人の健康や行動に大きな影響を与えていると言える。 ### 前提 ホモサピエンスはアフリカで狩猟採集を行っていた時代から、その根本的な生物学的特性は大きく変わっていない。この前提に立ち、ホモサピエンスの特性を思考とフィジカルの二つの側面から考察する。 ### 思考の特性: 複雑なものを逃避する ホモサピエンスは複雑な問題を直面した際、本能的にその解決を避ける傾向がある。この性質は、過去の狩猟採集の時代から生存戦略として進化してきたものである。複雑性を避けることで、無駄なエネルギーの消費を防ぎ、即効性のある解決策を求める行動パターンが形成された。この思考の特性は、現代社会においても意思決定や問題解決のアプローチに影響を及ぼしている。 ### フィジカルの特性: カロリーを溜め込む ホモサピエンスの身体は、カロリーを効率的に溜め込むように進化してきた。この特性は、食料が不安定であった狩猟採集時代には非常に有利なものであった。飢餓期間を乗り越えるため、摂取したカロリーを脂肪として蓄え、長期間にわたってエネルギー源として利用できるようになっている。しかし、現代社会においては、食料が豊富でありながらもこの生物学的特性が変わっていないため、肥満や生活習慣病などの問題に直面している。