探究テーマの重要性
中年期におけるアイデンティティ・クライシスに直面する際、将来的なキャリア目標を設定することに対するプレッシャーを軽減するためには、現在の関心に基づいて「探究テーマ」を設定することが有効である。「探究テーマ」とは、「レンズ」と「対象」の掛け合わせによって形成される。
レンズの種類
探究テーマを設定する際には、以下の3つの「レンズ」が重要となる。
- 学問的レンズ: 物理学、数学、工学、医学、法学、経済学、社会学、心理学など、関連する学問分野に基づく見方。
- 職能的レンズ: 経営、マネジメント、エンジニアリング、デザイン、編集、営業、教育、ファシリテーションなど、依拠する職能領域で培った汎用的技能に基づく見方。
- 趣向的レンズ: 自分の関心や信念、好きなこと、人を驚かせるのが好き、社会の隙間を埋めたい、才能フェチ、歴史好きなど、個人的な趣味や興味に基づく見方。
対象の選定
「探究テーマ」を形成するためには、どのような対象を観察するかを決定する必要がある。
- 観察したい事象: 人間や社会のどのような現象・事象を観察したいか。例: オンラインミーティング、企業理念の浸透プロセス、連続起業家のキャリアなど。
- 解決したい課題: 自分が成し遂げたいこと、業務上のミッションや役割。例: 多様性推進、組織づくり、開発プロセスの自動化構築、コンペに勝ちたい、顧客体験、UXデザインなど。
探究テーマの設定方法
探究テーマの設定に際して、自分の「好きなもの」を前向きに振り返ることが一般的である。しかし、特に優秀な人ほど、この方法だけでは探究テーマを見つけるのが難しい場合がある。そのため、過去の抑圧の体験を半分かけ合わせながらレンズを探る方法が有効である。
抑圧の体験と関心の結びつけ
自分が過去にうまく世界に適応できなかった、あるいは拒絶された「抑圧」の体験を振り返り、どのような関心・好奇心によってその抑圧を癒そうとしているのかを探ることがブレイクスルーに繋がる。これにより、自己ケアのストーリーとして探究テーマを捉えることができる。
結論
中年期のアイデンティティ・クライシスを乗り越えるためには、過去の抑圧体験と現在の関心を結びつけ、「探究テーマ」を設定することが効果的である。これにより、日々の仕事に手触りが生まれ、自分の「作家性」を捉えることができる。