[[📖リーダーシップ進化論]] P82
家族型リーダーシップは、最も原始的な形態の組織において重要な役割を果たす。
#### 家族型組織
最も原始的な組織形態は、家族型組織であり、これはリーダーとメンバーが血縁関係にあるか、非常に親しい関係を持つことが多い。このような家族型組織では、リーダーは家族の長のような存在であり、メンバーを家族や親友のように扱うことで組織の結束を保つ。
#### 家族型リーダーの特性
家族型リーダーは、必ずしも特定の個体を指すものではない。むしろ、状況に応じてリーダーシップを発揮する個体が柔軟に交代することが多い。例えば、狩猟採集社会では、狩りの場面では経験豊富なハンターがリーダーシップを取る一方、集落の維持や日常生活では別の個体がリーダーシップを発揮することがある。
#### 家族型リーダーシップの利点
家族型リーダーシップの利点として、以下の点が挙げられる。
1. **強い結束力**:リーダーとメンバーが強い信頼関係を持つため、組織の結束力が高い。
2. **柔軟性**:状況に応じてリーダーが交代するため、多様な状況に適応しやすい。
3. **相互扶助**:家族的な関係に基づくため、互いに助け合う精神が強い。
#### 結論
本章の考察を通じて、リーダーシップの変化を伴う系統の中で、最も原始的な組織は家族型組織であり、この組織を率いる家族型リーダーは、メンバーとの血縁関係や親密な関係に基づく強い信頼関係を築く存在であることが確認された。また、家族型リーダーは特定の個体に固定されず、状況に応じて柔軟に交代する点が重要である。こうした家族型リーダーシップの特性は、現代の組織においても参考となる点が多い。