密教(みっきょう)は、[[大乗仏教]]の一派であり、「秘密仏教」や「秘密教」とも呼ばれます。その教えは深遠で秘奥的なものであり、一般には理解しがたいとされています。密教は、インドで7世紀頃に確立され、その後チベットや中国、日本に伝播しました[2][3][5]。 ## 密教の特徴 ### 1. **大日如来** 密教の中心的な仏は大日如来(だいにちにょらい)であり、宇宙の根本原理や真理そのものを象徴しています[5]。 ### 2. **即身成仏** 密教の教えの一つに「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」があります。これは、修行を通じて生きながらにして仏の境地に達することができるという考え方です。すべての人は仏性を持っており、その仏性に目覚めることで現世においても仏となることができるとされています[1][4]。 ### 3. **三密加持** 「三密加持(さんみつかじ)」は、即身成仏に至るための修法であり、「身(身体の動作)」「口(言葉)」「意(心)」の三業を仏の「身密」「口密」「意密」と一体化させることを目指します。具体的には、手で印を結び、口で真言を唱え、心に本尊を想い描くことで仏と一体化することを目指します[1][4]。 ### 4. **真言** 真言(しんごん)は、大日如来が発した言葉であり、そのままで真実を表しているとされます。真言を唱えることで仏と共鳴し、一体化できると考えられています[1][5]。 ## 日本における密教 日本には、平安時代初期に最澄(さいちょう)と空海(くうかい)によって密教が伝えられました。最澄は天台宗を、空海は真言宗を開き、それぞれの宗派で密教を発展させました。最澄の法系は「台密」、空海の法系は「東密」と呼ばれます[3][5]。 ### 1. **台密** 天台宗の密教であり、最澄が中国から持ち帰った教えを基にしています。台密は、顕教と密教を融合させた「円密一致」の教えを特徴としています[5]。 ### 2. **東密** 真言宗の密教であり、空海が中国から持ち帰った教えを基にしています。東密は、物質原理と精神原理の一元化を目指す「両部不二」の思想を特徴としています[5]。 ## 密教の儀礼と象徴 密教では、儀礼や象徴が重要な役割を果たします。例えば、曼荼羅(まんだら)は宇宙の姿や仏の世界を描いたものであり、修行の一環として用いられます。また、密教法具も儀礼において重要な役割を果たします[4]。 密教は、その深遠な教えと神秘的な儀礼を通じて、仏教の中でも特異な位置を占めています。理解するためには、教義や儀礼、象徴について深く学ぶことが必要です。 Citations: [1] https://discoverjapan-web.com/article/31873 [2] https://www.reihokan.or.jp/syuzohin/hotoke/mikkyo.html [3] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%86%E6%95%99 [4] https://www.famille-kazokusou.com/magazine/manner/584 [5] https://kotobank.jp/word/%E5%AF%86%E6%95%99-138847