### 概要 技術者が過去の高度成長期の思考パターンを踏襲し、現実的でない将来像を描き、不合理な投資を実施した結果、業績が大幅に悪化した。経営者がこの事態に気づき、投資の調整を図ったものの、時既に遅しであった。この結果、現場の士気が低下し、魅力的な新製品の開発が停滞するなど、企業全体が負のスパイラルに陥った。 ### 負のスパイラルの原因 1. **過去の成功体験に囚われた思考**: 技術者が高度成長期の成功体験に囚われ、現実と乖離した将来計画を立案し、これに基づく過大な投資を行った。 2. **市場とのミスマッチ**: 投資した内容が市場のニーズや消費環境と合致しておらず、結果的に資金の浪費となった。 3. **経営層の対応の遅れ**: 経営層が投資の誤りに気づき対応を試みたものの、その時点で既に多大な損失が発生していた。 4. **現場の士気低下**: 投資の失敗と経営層の対応の遅れが現場の士気を低下させ、イノベーションの停滞を招いた。 ### 結論 企業が高度成長期の思考パターンに囚われ、現実的でない未来像を追求することの危険性を示している。資金、志向性、消費環境のバランスが重要であること、そして市場の動向を正確に把握し、柔軟な思考で対応する経営戦略の重要性が強調される。 [[📖トヨトミの野望]] P84