SECIモデルは、[[野中郁次郎]]氏が提唱したナレッジマネジメントのフレームワークで、組織内で知識を創造し、共有し、活用するためのプロセスを示しています。このモデルは、以下の4つのプロセスから構成されています。 ## SECIモデルの4つのプロセス 1. **社会化(Socialization)**: - 暗黙知(個人の経験や直感など、言葉にしにくい知識)を他の人と共有するプロセスです。例えば、ベテラン社員が新人に対して仕事のやり方を直接教えることが該当します[1][2][3]。 2. **外化(Externalization)**: - 暗黙知を形式知(文章やマニュアルなど、言葉や図で表現できる知識)に変換するプロセスです。例えば、経験を基にしたノウハウをマニュアル化することがこれに当たります[1][2][3]。 3. **結合(Combination)**: - 形式知を他の形式知と組み合わせ、新たな知識を創造するプロセスです。例えば、異なる部門のマニュアルを統合して新しい業務手順を作成することが該当します[1][2][3]。 4. **内面化(Internalization)**: - 形式知を再び暗黙知に変換し、個人の中に取り込むプロセスです。例えば、新しいマニュアルを読んで実際に業務を行うことで、その内容が個人の経験として蓄積されることがこれに当たります[1][2][3]。 ## SECIモデルの活用事例 ### 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 富士フイルムビジネスイノベーション(旧:富士ゼロックス)は、SECIモデルを活用して製品開発プロセスの効率化を実現しました。技術者や設計者が互いの現場を訪問し、ノウハウを共有することで、設計変更や開発期間の延長といった課題を克服しました[2]。 ## SECIモデルの運用ポイント 1. **継続的なプロセスの繰り返し**: - SECIモデルは一度きりではなく、4つのプロセスを繰り返すことで知識資産を増大させることが重要です[1]。 2. **知識共有の体制整備**: - 高度な技術やノウハウを持つ社員が積極的に情報を共有できる体制を整えることが必要です。インセンティブの提供や評価制度の見直しが効果的です[1]。 3. **活動のゴール設定**: - SECIモデルのプロセスはスパイラル構造であり、活動のゴールを明確に定義することが難しいため、活動前後の比較や中間地点でのマイルストーン設定が重要です[3]。 SECIモデルは、組織が持つ知識を効果的に活用し、持続的な競争優位を築くための強力なツールです。組織全体での知識共有と創造を促進するために、SECIモデルの理解と実践が求められます。 情報源 [1] 【図解あり】SECIモデルとは|実践プロセスや運用のポイントを解説 https://www.dodadsj.com/content/230427_seci-model/ [2] SECIモデルとは?【わかりやすく解説】企業事例、問題点 - カオナビ https://www.kaonavi.jp/dictionary/seci-model/ [3] SECIモデルとは?企業におけるナレッジマネジメントへの活用と ... https://www.brains-tech.co.jp/neuron/blog/seci_model/ [4] SECIモデルとは?ナレッジマネジメントへの活用と具体例 https://www.skillnote.jp/knowledge/secimodel/ [5] SECIモデルとは?ナレッジマネジメントの軸になる考え方を概要 ... https://www.knowledgewing.com/kcc/share/method/single76.html