AIと毎日仕事をしていると、タスクの見積もりが「時間」では回らなくなる。スライド作成3時間、Slack送信5分、という見積もりが、実態とまるで合わなくなる。
合わなくなる理由は単純で、見積もりの軸が間違っている。作業の内容で重さを決めていたのが間違いだった。
これまでの軸と新しい軸
これまでタスクの重さは作業内容で決まっていた。「作成」は重い。「送信」は軽い。マイルストーンを組むとき、このキーワードで自動分類していた。
AIと組むようになって、この分類が当てにならなくなった。同じ「作成」でも、指示を出して放置すれば終わる実装と、何往復もやりとりしないと仕上がらないスライドでは、自分のキャパシティへの影響がまるで違う。先週、打ち合わせ前にAIに投げたスキル修正は5分で片づいた。同じ日の午後に作った提案スライドは3時間かかった。
軸を変える必要がある。作業の内容ではなく、AIとの関わり方で見る。
3つの関わり方
AIに任せる。指示を出せば自律で完走するタスク。定型実装、データ整理、フォーマット変換。自分のキャパシティへの影響はほぼゼロ。
AIと一緒にやる。構成案を出してもらい、違うと返し、修正を見て、また返す。スライド、報告書、叩き台作成。セッション1つ分を丸ごと使う。
自分がやる。AIには手が出せない。Figmaでビジュアルを詰める、対面の打ち合わせ、電話。自分の時間を使うが、AIは空いている。
スライド作成が重いのは「作成」だからじゃない。AIと何往復もやりとりする必要があるからだ。Slack送信が軽いのは「送信」だからじゃない。やりとり不要で一瞬で終わるからだ。
見積もりの問いが「何時間かかるか」から「AIとのセッションが要るか」に変わる。
「自分がやる」はAIの空き時間になる
3つ目が意外と大きい。
Figmaを2時間触っているあいだ、AIは空いている。打ち合わせの1時間半も同じだ。自分が忙しいと全体が忙しい気分になるが、自分のキャパシティとAIのキャパシティは別物だ。
自分がFigmaに集中している時間は、AIにとっての空き時間になる。そこにセッション不要のタスクを入れられる。打ち合わせの裏で実装を走らせる。デザイン作業中に報告書の初稿を生成させる。
一方、AIと一緒にやるタスクは自分の時間もAIの時間も同時に消費する。3つの中で一番コストが高い。
だから、打ち合わせ中にAIが空いているならそこに委任タスクを仕込む。セッションが必要なタスクは、自分が手を空けられる時間帯に集める。
見積もりの問いが変わると、1日の組み方が変わる
今週の自分のスケジュールを振り返ると、午前中はFigmaとMTGで埋まっている。自分の時間だ。その裏でAIにスキル修正と報告書の初稿を走らせている。午後はスライドの構成をAIと一緒に詰める。セッション1本分。
任せるつもりで投げたタスクが途中から一緒にやることになったり、その逆もある。ただ、「何時間かかるか」ではなく「自分とAIのどちらの時間を使うか」で考え始めると、打ち合わせ中の空き時間やデザイン作業の裏側が急に使える場所に見えてくる。1日が時間の一本線ではなく、複数の線で動いている。AIは同時に何本でも走らせられるから、線は増やせる。