📖具体と抽象 P87
なぜ初期段階で多数決が問題なのか
新しいものを生み出す過程の初期では、誰もが正解を知らない状態にある。この段階で多数決を行うと、以下の問題が起きる:
- 平均的な意見に落ち着いてしまう
- 面白いアイデアが消えてしまう
- 無難な選択になりがちである
クリエイティブな仕事はプロトタイプを通じて実現されるが示すように、新しい価値を生むには、まず誰かが「これだ」と思えるものを形にする必要がある。
個人の感性を大切にする理由
デザイナーは自分の「なんか違う」という感覚に敏敏である必要があるという考え方が示すように、良いアイデアは個人の繊細な感覚から生まれることが多い。以下の点で個人の感性は重要である:
- 独自の視点からの気づき
- 「これは違う」という違和感
- 「もっとこうできるはず」という探求心
仕事の段階による使い分け
初期段階で大切なこと
- プロジェクトには「仮説立案・合意フェーズ」と「仮説検証・評価フェーズ」があり、仮説立案が最も労力がかかる
- この時期は個人やごく少人数での深い検討が効果的
- アイデアを尖らせることを優先する
実行段階で大切なこと
- プロジェクトの成功は目的達成への集中と実行に専念することで実現される
- チーム全体での合意形成が必要
- 多数の意見を聞き、調整することが重要
具体的な進め方
- アイデアを出す段階
- デザインプロセスは非線形であることを理解し、試行錯誤を恐れない
- 最初は完璧を求めず、なるべく早く手をつけて少しずつ進めることが大事という姿勢で取り組む
- 方向性を定める段階
- コンセプトは判断基準を提供し、一貫性を生み、価値の源泉となるように、明確な軸を持つ
- 個人の感覚を大切にしながら、少しずつ形にしていく
- 実行する段階
- チームの目標と課題はCAN・WILL・MUSTの観点で整理することで、全員が同じ方向を向けるようにする
- この段階で初めて、多数の意見を取り入れていく
日々の仕事での活かし方
- アイデアを出すとき
- 最初から大人数で話し合わない
- 個人やごく少人数で深く考える時間を作る
- 方向性を決めるとき
- 判断の正誤よりも行動による検証と改善が重要であるという考えで、まず動いてみる
- 完璧な合意を求めすぎない
- 実行するとき
- チーム全体の力を合わせる
- 細かい部分の調整は多数の意見を聞く
まとめ
創造的な仕事の初期段階では、多数決ではなく個人の感性を大切にすべきである。実行段階に入ってから多数の意見を取り入れることで、より良い成果につながる。判断力を鍛えるために必要なことは判断経験と失敗からの学びという考え方を基に、経験を積みながら適切な判断ができるよう努めることが大切である。